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中国歴史小説と幻想的な恋の話


美しいと思う詞 涼州詞

涼洲詞  王翰(おうかん)
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葡 萄 美 酒 夜 光 杯
ぶどうのびしゅやこうのはい
欲 飲 琵 琶 馬 上 催
のまんとほっすればびわばじょうにもよおし
酔 臥 沙 場 君 莫 笑
ようてさじょうにふすれどもきみわろうことなかれ
古 来 征 戦 幾 人 回
こらいせいせんいくにんかかえる

<超翔訳>
旨いぶどう酒を、あの名高い夜光杯で飲み交わそう
杯を交わそうとすると、興を添えるように誰かが馬の上で琵琶を弾く音がする
今宵は酔いつぶれて倒れても笑ってくれるな
昔から戦に出掛けた者達がいったい何人帰っただろうか



この詩のインパクトは最初の一行目のエキゾチックな雰囲気ですね。葡萄酒や夜光杯が西域の雰囲気を見事に伝えています。(夜光杯とはどんなものだったかはっきりしないそうです。幾つかの説があります。カットグラス説。玉杯説。そして西域でとれた石を杯にしたもの)
前半の二行で西域で戦う兵士がひさかたの長閑な時間を友人と酒を酌み交わそうとしている状況をエキゾチックに歌い上げていますね。ぶどう酒、夜光杯、そして琵琶を馬上に弾く音。誰もが否応なく辺境の守備兵になった気持ちになってしまいます。そして後半の二行は今宵は思い切り飲んで酔いつぶれるけど笑ってくれるな、こんな辺境の地の守備兵となっていったい何人の兵士が戻れた言うのだ。明日死ぬかもしれないのだ、せめて今夜は酔いつぶれることくらい大目にみてくれと・・・・本当はこの先死ぬかもしれない恐怖と不安と戦っている悲しくも辛い兵士の心情なのです後半と対比すると前半の二行はあまりにも美しく歌い上げています。名詩ですね。左遷されたおとうさんが場末の居酒屋でうだを上げるとは随分違います。あ~反省しないといけない。


唐の時代、都の長安はまさに絢爛たる中国文化が咲き乱れていました。しかし万里の長城があらわしているように西域では遊牧民族の侵略を受けていた時代でもあったのです。この詩は西域の守備部隊についている兵士を詠った辺塞(へんさい)詩として書かれています。





王翰(おうかん)
盛唐の詩人。(687~726年)字は子羽。晉陽(現・山西省太原)の人。進士に受かり昌楽の尉となった。豪快な性格で、酒好き。狩猟をする愛した。宰相張説に認められ、駕部員外郎。張説が失脚すると、仙州別駕に左遷された。仁侠の士を集めて酒宴にふけったため、道州司馬(現:湖南省道県)に流されて配所で没した。
王翰自身は西域に行った事はなかった。


王翰の涼州詞にはその2がある。

秦中花鳥巳應闌
しんちゅうのかちょう すでにまさにたけなわ  
塞外風沙猶自寒
さいがいのふうさ なおおのずからさむし
夜聴胡茄折楊柳
よるにこかせつようりゅうをきけば
教人意気憶長安
人のいきをして ちょうあんをおもわしむ
by shou20031 | 2005-06-20 21:23 | 漢詩の世界

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by shou20031
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