中国歴史小説と幻想的な恋の話


カテゴリ:本( 47 )



「漂泊の牙」 熊谷達也

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「漂泊の牙」 熊谷達也

先に読んだ「相剋の森」より前に書かれた作品です。こちらは題材をマタギからサンカ。動物を熊からオオカミと変えてあります。主人公は「相剋の森」と同じく女性で今回はテレビディレクターでした。

 ストーリーは絶滅したはずのオオカミに女性が食い殺されてしまい、何と狼研究家の夫が妻を殺した狼を追い詰める姿を描いて行きます。そこに登場人物それぞれのしがらみと殺人事件が絡んで行き一気に読ませてくれました。狼研究家が狼を追跡してゆく姿がとても臨場感豊かに描かれています。何せテンポが良いので読みやすくページ数も「相剋の森」の半分です。

最後になって一気に登場人物の人間関係が明かされるのです。好みの問題ですけど、ちょっとひっぱり過ぎなのかな~っておもいました。まあ推理小説なのですからしかたのないことなんでしょうね。「相克の森」や「邂逅の森」よりも軽い感じで読めますが、中身もちゃんとしています。東北の自然と動物を描かせたらこの作者は圧巻ですね。

この作品は新田次郎賞受賞作品らしいです。
(★★★★です~)


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by shou20031 | 2005-09-18 00:27 |


「相剋の森」 熊谷達也


「相剋の森」 熊谷達也

仙台でタウン誌の編集長をしている美佐子が主人公でその周辺の男女の恋愛ドラマと人生を描いていますが、物語の中心はマタギと呼ばれる猟師の熊猟に関して話は進められるます。
「今の時代熊を殺さなくても生きていける」と言う女性編集者である美佐子の主張とマタギとして生活している人々との交流?を通して物語は展開されます。
マタギの一人から「山は半分殺すぐらいがちょどいい」と言う言葉を聞いた美佐子がそれはどうしてなのか取材を始めることで美佐子自身のルーツまで辿ってゆくと言う思わぬ展開もあります。
最初は陳腐な自然保護や動物愛護が展開されるのかなと思いましたが、この作者よほどしっかりと熊を含めた野生動物の問題を取材しているらしくかなり読み応えがあります。何せ私は若い時は”なんちゃっとアウトドア派”だったのです。ぐいぐいこの本に引き込まれてしまいました。新幹線で東京ー上田間の往復で読み終えました。何だかもっと読んでいたかったな~最後の終わり方物足りません熊谷さん!そっか作者も熊だった。

この小説は地方新聞数社に連載されていた小説の単行本化です。ストーリとして直木賞受賞作「邂逅の 森」はその後のマタギの歴史になるのかな~「 邂逅の 森 」も読まないといけないな~
(今回から五点満点での表示です。★★★です~)


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by shou20031 | 2005-09-14 23:24 |


捨てるな、うまいタネ

c0039644_22175761.jpg捨てるな、うまいタネ 藤田雅矢

読んで字のごとし、普段スーパーで買う野菜や果物の種を捨てずに蒔くと、どんな楽しい事があるのかをとても読み易い文章で書かれている本です。読物として素晴らしいなと思ったらこの方農学博士ですが、日本ファンタジーノベル優秀賞を受賞された作家でもあるので、難しい話も楽しく読ませてくれます。そういえば誰かがブログでアボガドの種を蒔いて芽が出た写真を載せていたのを思い出しました。

ガーデニングや家庭菜園をやられている方には別に目新しくもないでしょうね。この本も家庭菜園の本に近いですね。ただ先にも述べましたが読物に近いので実際に家庭菜園をやっていない人もペットボトルを利用して野菜の種や果物の種を蒔きたくなってくるかもしれません。自分でタネから蒔いて育てた野菜って普段スーパーで買うのよりも見てくれが悪くても美味しいものです。ひさしぶりに小松菜でも蒔いてみようかな。

最後に江戸時代に投機植物として流行った変化朝顔の記事が出ていました。私も変化朝顔のタネをいただいて蒔いているのでちょっとうれしくなりました。今年は面白い花が咲かないのが残念です。

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by shou20031 | 2005-08-20 18:01 |


図説 戦国合戦図屏風

c0039644_16164754.jpg図説 戦国合戦図屏風  学研 2,000円

この本を見るまで戦国合戦図屏風などまともに見たことはなかった。しかし刮目させられました。それまでは名もなき画家の世過ぎの為に描いたものとして興味もなかったのですが、この本の中で紹介されている戦国合戦図屏風はまさにその戦いにいた臨場感さえかんじるのです。
正直紹介の文章を書いていても興味を持たれるのは時代小説が好きな方ぐらいかなとおもいますが、そうでない方もぜひ書店、図書館で一度立ち読みで見て下さい。

秀吉と家康が対決した唯一の戦い長久手合戦図屏風は家康の側近として仕えていた成瀬正成の武功を描いた屏風なのだけれど、武家の功名を上げる苦労が垣間見えて非常に面白く解説が抜群であった。好きな方には夏休みのたまらない時間となるでしょう。私はビールを飲んで一人悠久の歴史を楽しみました。つまみは枝豆に限ります。
上杉謙信と武田信玄の川中島の戦いや、秀吉が朝鮮に侵攻した朝鮮軍陣図屏風。関が原、大阪夏の陣、冬の陣本当に見ていて飽きませんでした
(点数付けられません。あまりにも趣味に走りすぎてしまって、)

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by shou20031 | 2005-08-14 17:08 |


エンジェル エンジェル エンジェル

c0039644_23213375.jpgエンジェル エンジェル エンジェル 梨木香歩

「西の魔女が死んだ」に味をしめて図書館から借りて読んでみました。出だしはあれ?普通の現代私小説か~とちょっとがっかりましましたが、おっとどっこい。作者はそんなことは読み込み済みだったようで僅か数ページの後に大きく展開します。主人公の私とおばあちゃんの話なんですけど、今回のおばあちゃんはほとんど寝たきりに近いおばあちゃまなんですね。人間の心の中にある天使と悪魔それを、現在と過去、つまり私とおばあちゃんの時間を対比させて人の心の中にある天使と悪魔を実に巧みに描いています。最後のおかあさんの号泣は意味が深いなと感心させられました。

 私は熱帯魚を飼ったことがないから知らなかったのですが、エンゼルフィッシュとネオンテトラって一緒に飼ってはいけないのですね。
 面白かったのは熱帯魚の住む空間を地上の世界としてそれを用意した私を天地創造の神と例えたところは感嘆してしまいました。
 私は聖書をほとんど読んだ事がないのですが、読んだ人にとってはまた違う感慨があるのでしょうね。聖書も読まないといけないな~詩織さん教えて下さいな。
梨木ワールドに参りました。薄い文庫本ですので遅くても2時間もあれば読んでしまえます。
(90点)
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by shou20031 | 2005-07-21 20:44 |


夢二が好き

c0039644_13544452.jpg夢二が好き  木暮 享

竹下夢二の絵ってあんまり好きじゃなかったのです。なんか病的な色気を感じる女性を描いている画家と言うイメージしかなかったのですが、この本を見て認識を新たにしました。素晴らしいデザイナーだったのですね。それと夢二は早く亡くなったとおもっていたのですが、亡くなったのは51歳だったのですね。
あ~私の思考回路の中では中原中也の詩と竹下夢二の絵が重なってしまうのです。ですから夢二まで早世してしまったと思い込んでしまうのですね。
便箋や封筒、クリスマスカードのデザイン、浴衣や半襟の絵柄はとても優しくて引き込まれるものがあります。手拭や団扇。本の装丁までしています。大正モダニズム華やかな頃の夢二のポスターは私の持っていた夢二の絵の片鱗もありませんでした。
そうなのです。テレビなどの映像媒体に作り出された夢二のイメージ。物思いに佇む弱々しげな女性だけだとばかり思い込んでいたのですね。
夢二は名曲「宵待草」の詩を書いていたなんて知らなかった。これまでの夢二のイメージを覆してくれた本です。
今晩は中原中也の詩集でも読んでみようかな。シンガポールの夜はコルトレーンが似会うかも。
(点数85点)
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by shou20031 | 2005-07-13 22:55 |


西の魔女が死んだ

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西の魔女が死んだ  梨木香歩

Rioさんの読書感想
を読んで読みたくなりました。ストーリーは登校拒否症になった少女がいなかの祖母の元へ行って自分を見つめ直すことを学び立ち直って行く話しです。説教じみた事は一切ないのがいいですね。主人公の私は祖母のような魔女になろうと修行します。それは規則正しい生活と、全ての事は自分で判断する事なのです。これ以上言うと読むときの感激がなくなってしまいます。私がこれ以上言うと台無しにしてしまいそうです。それにrioさんの紹介文は素晴らしいです。女性の視点から見た優しい文章を読んで私はこの本を読みました。
皆さんにはぜひ読んで下さい。休日出勤の往復1時間ちょっとで読めました。
読後に清涼感を感じたのは私だけなのかな?
(95点)
梨木さんのファンになりそうです。梨木さんの他の作品も読んでみたいですね。
ジャカルタから手短に失礼いたします。
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by shou20031 | 2005-07-11 23:15 |


そこまでの空 安野光雅 俵万智

c0039644_1215244.jpgそこまでの空   安野光雅 俵万智

安野さんの絵と俵さんの歌のコラボです。歌って絵があると想像力を削がれてしまうと言うデメリットもあるのですが、安野さんの絵は優しく俵さんの歌を包んでいます。

「百枚の手紙を君に書きたくて書けずに終わりかけている夏」

なんかいいですね。これ以上余計な注釈が一切いらない歌です。俵さんの歌の良さはこの歌に全てあらわれていますよね。良質の詩歌は余計な注釈を一切必要がないものだと私は思うのです。

 見開きのページに一首だけ。贅沢な空間の使い方ですね。でも違和感ないのです。安野さんの絵が主張するでもなく、じゃまするでもなくそこにあるのです。

「おしまいにするはずだった恋なのにしりきれとんぼにしっぽがはえる」

歌も良いけど安野光雅さんの絵が素敵でした。休日の午後に冷たい飲み物にあう本です。
(85点)

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by shou20031 | 2005-07-06 23:37 |


絵を描く悦び 千住 博

c0039644_17123018.jpg絵を描く悦び  千住 博

「美は時を超える」は確かに教養書としては良書だと思いますが、私には面白くなかった。それならば「千住 博の美術の授業」第一冊目として書かれた「絵を描く悦び」を読んでみました。
やっぱり第一冊目のほうが私には良かった。と言うか断然こちらのほうが面白いです。
千住 博が日本画家になろうと思った理由,芸大入試に失敗し二浪してた時のこと、芸大在籍9年間などファンだったら知りたいと思っていることが満載されていました。
日本画家として何を描きたいのか何を描かないのかは興味深く、読んでいてとてもわかりやすい文章でした。特に目新しいことが書いてあるわけでもないのですが、やはり千住さんが感じた言葉で書かれていることが魅力ですね。
  余白の話が出てくるのですが、水墨画では墨で描かれた部分よりも描いていない余白の部分が作品を語るといいます。この部分は面白かったですね。全く同じ事を書の師匠に言われたことを思い出しました。千住 博の本としてはやはりこちらから読んだほうが面白いですね。
(85点 絵に興味があるひとにはお勧めです)
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by shou20031 | 2005-07-04 22:12 |


私美術館作りました  吉沢深雪

c0039644_10271093.jpgこれぞ究極ですね!「わたし、美術館つくりました」吉沢深雪

猫のキャラクターCAT CHIPSで有名な吉沢深雪さんが1997年に自分の美術館を作ったときの本です。著者の吉沢さんご夫妻と家族だけで美術館を手作りしたプロセスを絵日記にしてあります。シロさんと呼ばれるご主人がとってもいい人なんです。
芸術を志す人間は自分の作品を飾る美術館を夢見ますよね。それを手作りとはいえ実現した吉沢さんは凄い人です。

この本を読んで思った事。

1. うだうだ言ってないで実行しろ!
2. 好きな画家、見たい絵があれば調べて自分でブログで展覧会できるじゃないか~
3. 止めたくなたらさっさと止める決断力。
4. 友達は沢山つくりましょう。


吉沢深雪さんの美術館行きたかったのですか残念ながらこの小さな美術館は2001年に閉館しております。「吉沢深雪」で検索するとHPが出てきます。興味のあるかたはどうぞ
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by shou20031 | 2005-07-01 22:38 |

    

永遠の愛ってあるのだろうか
by shou20031
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