イタリア ルネッサン 女性画家 アルテミジア ジェンティレンスキー
イタリアで最初の女性アカデミー正会員
彼女は毅然たる女性でレイプした家庭教師を訴えた。
しかし筆舌に尽くしがたい屈辱に会っている。
この絵は自画像である。
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「小説・詩の部門」
お蔭様で現在第2位です。有難うございます。これかもよろしくお願いします。
たった半日の幻の様な一位でした
「あの朝、玄関に現れた冴は、わしを見るなり悲しそうな顔をした。わしの悔やんでいる気持ちはわかっているが、悔やむとわかっていながら他の女を抱いたわしが許せないと言うのだ。
わしにとっては一晩の過ちであろうが、冴にとっては忘れたはずの苦しみの始まりなのだと、小さな溜息をついて言った。わしには冴に掛けてやる言葉を見つけられなかった。
それから冴が口にするおとぎ話の様な話を理解できなかった。
何も言えず、冴の顔を見ることも出来ないわしに向って、今日限りで家を出ると言うのだ。確かに責められても、言い訳のしようもないが、二度と他の女を抱いたりしないと侘びた。
しかし冴はわしの気持ちの中に冴を怖れる気持ちがある限り、同じ事を繰り返すでしょうというのだ。そう言われてしまえば二の句を継げないけど、何とか冴に思い留まってもらおうと必死で説得したよ。
男はいつでも自分のした事は謝ればすむと思っているのだろうけど、女にとっては信じていた糸を切られたようなもので、もう二度と結ぶことが出来ないのだと言うのだ。
そして冴は結ばれた糸を切らない男を何千年も捜し続けているのだと、信じられない事を言い出した。
それから冴の語る信じられない話が始まった。
まだ日本が形作られたばかりで八百万の神が人間の世界と行き来をしていた時代、冴は神に仕える巫女だったのだそうだ。
ところがある日美しい心を持つ人間の若者に出会い、恋に落ちてしまった。
巫女は神に仕える身、人間と恋などして身を汚したら、炎で焼かれてしまう宿命だったのだそうだ。
仕えていた神様が冴を哀れに思い、もしその若者と一生添い遂げる事ができたなら許そう。但し添い遂げられなければ、それ以上の苦しみを冴に与えるがそれでも人間と一緒になりたいのかと尋ねられたそうだ。
冴は若者の愛を信じていたので、何の躊躇いもなく若者と結ばれる事を選んだそうだ。
やがてその若者が年老いて亡くなると冴も命を失う運命となるのだが、その若者を愛していたので後悔はしなかった。
冴はその男と結ばれ幸せな生活を続けたのだけれど、長い月日がたつと、いつまでも若い冴を怖れるようになり、他の年老いた女のもとへ行ったのだそうだ。
やがて年月だけが目の前を通り過ぎ、あれほど愛した男も冴を裏切った事を後悔しながら枯れ木のように亡くなった。
ところが冴はその男が他の女に心を奪われてしまったので、神様の罰として、冴だけを愛してくれる男が現れるまで、不死の体のまま人間界に取り残されたのだそうだ。