中国歴史小説と幻想的な恋の話


理想とする隠者の生活 「田園楽」 王維

田園楽  王維

桃 紅 復 含 宿 雨
ももはくれないにして またしゅくうをふくむ
柳 緑 更 帯 春 煙
やなぎはみどりにして さらにしゅんえんをおぶ
花 落 家 僮 未 掃
はなおちて かどういまだはらわず
鶯 啼 山 客 猶 眠
うぐいすないて、さんきゃくなおねむる

超翔訳
桃の花はくれないに咲き、昨夜の雨を含んでいっそう色鮮やかに
柳の芽は緑に萌え出で 春霞を帯びて濡れている
花びらは庭先に散っていても 召使はいまだ掃除をしていない
うぐいすがさえずり 隠者はまだ夢の中


一読しただけで頭の中に色鮮やかな風景が浮びます。王維の詩はその多くが美しい自然を歌い上げています。紅と緑を使い分けた名詩は教科書で見た記憶もあるのではないでしょうか。
一句と二句が見事な対句をなしているのです。桃の花はくれない=柳の芽は緑、宿雨をふくむ=春霞をおびる。こんなに目に鮮やかな対句を作れるなんてやはり天才なんでしょうね~
これほど読者を美しい世界へ導いてくれる詩を私は作れるのだろうか。天才の作品の前で私は言葉を失います。


山客を山に隠れ住む隠者と訳すのはお決まりなんですけど、ここを王維が親の服喪の期間世間から離れて生活したので王維自身であると解釈する人もいます。そうすると中央の役人として働いていた王維が長閑な生活を楽しんでいるような微笑ましい姿が浮んできたりします。
ちょっとした解釈の違いで詩がガラリと変わってしまうのですね。




王維(699-761) 詩人、画家。 汾州司馬の王處廉の長男として生まれる。幼少から文名を挙げ、15歳ころから都に遊学、皇族や貴族の知遇を得てさらに名声を高めた。玄宗の開元の始め進士となり、右拾遺にあげられ、監察御吏に進んだ。安禄山の乱に、賊に捕らえられ、給事中を授けられた。、乱の平定後その罪を厳しく問われた。しかし弟の王縉らの取り成しにより、降格されただけで許された。その後累進して尚書右丞として生涯を終えた。
孟浩然(もうこうねん)と並んで自然詩人の代表者であるが、人は李白、杜甫と併せて盛唐の3大家と称している。
 絵画では,旧来の伝統を離れ,彩色を用いず,墨の濃淡で立体感を表す破墨の法。線で輪郭を描く描線をやめ,墨を注いで一気に仕上げる撥墨の法などにより,ものの外形にとらわれず自由な精神を表現した。彼は南画・文人画の祖と仰がれている

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by shou20031 | 2005-07-05 23:11 | 漢詩の世界

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