春怨(しゅんえん) 王昌齢
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「小説・詩の部門」
西宮春怨
西 宮 夜 静 百 花 香 後宮の建物名前
せいきゅうよるしずかにして、ひゃっかかんばし
欲 捲 珠 簾 春 恨 長
しゅれんをまかんとほっして、しゅんこんながし
斜 抱 雲 和 深 見 月 雲和=琵琶の一種
ななめにうんかをいだいて、ふかきつきをみれば
朧 朧 樹 色 隠 昭 陽 昭陽=新たに寵を得た妃の住む建物の名前
ろうろうたるじゅしょく、しょうようをかくす
この詩は皇帝の寵愛を失った妃が悲しい春の宵にその心情を詠ったものである。
超翔訳は漢詩を専門にやられている方からは失笑を買うかもしれませんが、私の詩の読み方です。(あくまでも参考まで)
西宮の夜の庭の美しい花の色と香りがかえって苦しめる.
(庭を見るために)すだれを上げるが、春の夜は一人で過ごすには長すぎ,
あまりの寂しさに琵琶を抱きしみじみと月をみると,
おぼろにかすむ樹木の緑が今宵も帝が訪れている昭陽殿を隠している。
作者は官僚であった王昌齢です。「欲捲珠簾」は美人が憂う時によく使われるフレーズで他の詩にも見かけます。この詩の特徴は一行目の百花の香りが悩ましく。二行目が珠簾を巻き上げる動作が怨めしく。三行目の琵琶を抱き月を憂う。四行目愛しい帝が他の女を訪れてる部屋が木々の陰に見えるのです。激しい嫉妬と愛を失った悲しみを静かに歌い上げてる名詩です。
はたして、現代のお妃である奥様はどう思うのでしょうか?
この詩を読んで嫉妬を美しいと思うのは私だけなのでしょうか
作者 王昌齢(698-755)
盛唐の詩人。京兆(陝西省長安)の人である。字は少伯。当時は、王江寧と呼ばれた。経歴は、あまり明らかではない。727(開元15)年進士に及第し、秘書郎に任ぜられ、のち、さらに博学宏詞科の試験に及第して、氾水県の尉に移った。しかし、放漫な人であったため、しばしば左遷されて、安史の乱後、郷里に帰ったところを、刺士の閭丘暁に殺されたと言われる。
七言絶句の名手としては李白と並称される。その作品には、閨怨の詩が多い、薄命の佳人によせる同情を、きわめて艶麗にうたいあげている。一方には辺塞詩人として、透明にして清冽きわまりない作品もある。
王昌齢は秋怨(しゅうえん)も詠っている。
西宮秋怨
芙蓉不及美人粧
芙蓉も及ばず 美人の粧い
水殿風來珠翠香
水殿 風来って 珠翠香ばし
却怨含情掩秋扇
却って怨む 情を含んで秋扇を掩い
空懸明月待君王
空しく明月を懸けて 君王の待ちしを